米国内のイーベイのサイトについては、2006年5月、米ヤフーが独占的に広告を供給する契約を交わした。イーベイはこの契約により、検索広告を手掛ける他社の広告を自社サイトに初めて掲載することになった。
一方、ヤフーはイーベイの電子決済サービス「ペイパル」を宣伝することで合意した。ヤフーはイーベイの海外広告事業の一部の獲得も狙っていたという。ヤフーは、アジアのオンライン競売事業でイーベイと競合関係にあった。
グーグル(Nasdaq:GOOG)は一時期、米ネット競売大手のイーベイ(Nasdaq:EBAY)の海外(アメリカ以外)のオークションサイトにおいて、オンライン広告を独占的に提供した。2006年8月に合意した。契約期間は複数年だった。しかし、2007年6月に決裂し、広告掲載を取りやめた。
株オンライン投資顧問によると、イーベイ(eBay)とグーグル(Google)の両社は、広告の電話アイコンをクリックすると広告主と電話で話せる「Click-to-Call(クリック・トゥ・コール)」システムの開発でも協力した。取引によって得た広告収入の一部は分け合った。
米国内のイーベイのサイトについては、2006年5月、米ヤフーが独占的に広告を供給する契約を交わした。イーベイはこの契約により、検索広告を手掛ける他社の広告を自社サイトに初めて掲載することになった。
一方、ヤフーはイーベイの電子決済サービス「ペイパル」を宣伝することで合意した。ヤフーはイーベイの海外広告事業の一部の獲得も狙っていたという。ヤフーは、アジアのオンライン競売事業でイーベイと競合関係にあった。
イーベイは、競売、ショッピング、電子決済、インターネット電話(IP電話)などのサービスにおいて、ライバル企業各社と競争していた。競合他社のうちの1社にパートナーとして依存し過ぎるのを避けたい考えだった。
イーベイは2005年のある時期までは自社でのネット広告事業の構築を検討していた。広告事業をグーグルとヤフーに配分することで、イーベイは主力の競売・マーケットプレース事業を推進した。新IP電話事業「スカイプ」とペイパルの普及も図った。
グーグル(Google)にとってイーベイとの提携は、米コンピューター大手デル(Nasdaq:DELL)、米ニューズ・コーポレーション(NYSE:NWS.A)傘下のフォックス・インターネット・メディア、米メディア大手タイム・ワーナー(NYSE:TWX)傘下のインターネット事業部門AOLなどとの広告取引の流れを引き継ぐものだった。
グーグルは、こうした契約を通じて自社サービスとオンライン広告仲介事業を拡大させた。ヤフーやマイクロソフト(Nasdaq:MSFT)など他社と争い、勝利した。
マイクロソフトもイーベイとの提携を目指した。マイクロソフトは検索広告事業の大口広告主の獲得を狙っていた。こうしたなか、マイクロソフトは、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)大手のFacebook(フェイスブック)に広告を提供することで合意した。
オンライン広告に関する取引は通常、非常に見返りが大きい。グーグルがニューズ・コーポレーションのSNSサイト「マイスペース・ドット・コム」に検索関連広告と技術を提供する契約は、ほぼ3年間で最低9億ドルの広告収入が保証されたという。
イーベイ・グーグルの提携は、イーベイとグーグル両社の長く複雑な関係に新たな局面を開いた。イーベイはグーグルがまだ株式非公開企業(未上場企業)だった頃、グーグルの初期の広告主だった。現在はグーグルの最大の広告主のうちの1社である。
グーグルは過去1年間、徐々にイーベイの事業領域を侵食していた。例えばグーグルは、ユーザーが商品や3行広告を掲載できるサービスに参入。電子決済サービス「チェックアウト」を導入した。
「チェックアウト」のサービスは、イーベイのオークション出品者の多くも対象となり得た。これによってグーグルとイーベイの両社間にライバル関係が生じた。
グーグルとの競争の高まりにもかかわらず、イーベイは広告サービスを拡大させる提携先としてグーグルを検討せざるを得なかった。グーグルの広告技術が一流と判断したからだ。
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